技術以外でも、選ばれる会社に。
技術以外でも、選ばれる会社に。
株式会社ダイナン
代表取締役 但馬 史晴
1972年、2台のミシンから始まったダイナン。その二代目になって約12年。特に印象に残っている、二つの出来事があります。
一つは、40周年を迎えた際、お客さまへの感謝を伝えるパーティーでのこと。会食も終わり、いざお見送りというタイミングで、スタッフ全員が並んで、お見送りをする姿を見た時のことです。誰に言われたわけでもないのに、みなさん、すごいなあ…って。
もう一つは、あるハイブランドさんから、非常に難しいサンプル依頼をいただいた時のこと。スタッフがあらゆる手を尽くし、もう限界というところまでやりきった試作を「見せてほしい」と言われ、提出しました。それはボロボロになった、しかも片袖のパーツだけだったにも関わらず努力を買っていただき「ダイナンさんならきっと量産できるはず」と、受注に繋げることができたのです。
この二つの出来事が、今のダイナンを象徴しているように思います。なぜなら「とことんお客さまのことを考え、できる限りの手を尽くす」を、一番に心がけているからです。そのために、よくスタッフに伝えている一言があります。それは、「何のために仕事をしていますか?」という問いです。
縫製は、目の前の細かい仕事にひたすら打ち込む局所的な作業です。だからこそ大局的に考え、お客さまから手に取る人のことまで思いを馳せ、作業を作業以上のものにしてほしい。例え出来上がりが機械のやっていることと同じに見えたとしても、生きた人間がやっていることであるならば、作業の時間を少しでも成長につながるものにしてほしい。私はスタッフに対し、心からそう願っているからです。
品質が良い。期限を守る。は当たり前。愚直にやっていくだけです。ですが、それだけではお客さまが求めているものを、そのまま出しているに過ぎません。コスト勝負、技術の均一化など、新しい価値を生むことが厳しい今だからこそ、技術はもちろん、それ以外でも選ばれるオリジナルな会社でありたい。
では、オリジナルとは何なのか。クリエイティブな縫製会社とはどんなものか。答えはまだ、分かりません。しかし、必ずやその先に、見たこともない顧客満足があると信じて。これからも、手と心を動かしてくれる大切なスタッフと共に、ダイナンらしさを追求していきたいと思います。
株式会社ダイナン
代表取締役 但馬 史晴